ミネラルの役割
ミネラルは、無機質ともいいます。
人体を構成する諸元素のうち、炭素、水素、酸素、窒素を除いた成分で、リン、カルシウム、鉄、カリウム、亜鉛、ナトリウムなどがこれにあたります。
人は、これらを肉、魚、野菜、芋、海草、穀物、飲料水などを摂取することで補充します。
人体は、成人で50〜60パーセントが水分で占められています。
水分以外のものは、有機物と無機物とに分類され、無機物にあたるミネラル分はその四パーセントを占めています。
ミネラルは、たんぱく質や糖質などと結びついて生体構成成分となったり、血液、体液の浸透圧やpHを正常に保ったりする働きがあります。
つまりミネラルは、人体の筋肉やその他の器官、それに体内を循環する血液をはじめとする体液、これらの仲立ちをし、正常に機能するように働く「魔法の種」ともいえます。
まだまだ人体のすべてが解明されていないように、ミネラルの働きにも未知の部分が多く残されています。
次に、ミネラルの主な種類と役割を説明します。
[カルシウム]
体内に存在するカルシウムのうち九九パーセントが骨や歯の成分。
残りの一パーセントが、血液や筋肉のなかに存在します。不足すると、骨粗髭症や高血圧、動脈硬化を引き起こす原因となります。
多く含む食品は、小魚類、牛乳、チーズ、大豆と大豆製品、小松菜など。
[マグネシウム]
神経の興奮を抑えたり、筋肉の収縮に関与しています。
マグネシウムとカルシウムの摂取バランスは1対2〜1対3がよいとされています。
カルシウムの働きを調節しているのがマグネシウムです。
多く含む食品はアーモンド、カシューナッツ、落花生などのナッツ類、大豆、ひじきなどあります。
「カリウム]
塩分の成分であるナトリウムと同様に、体内の浸透圧の調節に関与しています。
現在、塩分のとりすぎが指摘されていますが、カリウムを多くとることによってナトリウムの排泄を促します。
多く含む食品は昆布、里芋、大和芋、するめ、干し柿、アボカドなど。
[鉄]
人体に4〜5グラム存在し、その3分の2が赤血球内に含まれます。
不足すると鉄欠乏性貧血、免疫力低下を引き起こします。
多く含まれる食品には、レバー、卵、大豆、煮干しなどがあります。
[亜鉛]
酵素の活怪に密接に関係するミネラルです。
とくに、DNA、たんぱく質の合成にかかわっています。
不足すると、味覚障害、脱毛などの症状があらわれます。
多く含む食品は、牡蠣(貝)、牛肉の赤身、ウナギの蒲焼きなどです。
[リン]
カルシウムに次いで人体に多く存在するのがリンです。
リンの約80パーセントはカルシウムと結合してリン酸カルシウムをつくり、骨の主成分となっています。
不足すると骨軟化症を起こします。
他方、加工食品や外食の多い人には、摂取過剰の傾向がありますが、これは腎臓に負担がかかり、副甲状腺肥大などを招きます。
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ビタミンの役割
ビタミン類が含まれる食品といえば、とたずねると、第一に野菜があげられます。
「ビタミン摂取のために野菜を食べる。野菜を食べればビタミンはだいじょうぶ」
と思っている人がいますが、ビタミンは野菜だけではなくいろいろな食品にも含まれています。
では、体内に入ったビタミンは、どのような働きをしているのでしょうか。
三大栄養素の分解を円滑にし、皮膚や粘膜の再生を助け、神経や脳の機能を調整するなど、いわば体内の潤滑油役を担っています。
ですから、糖質の項で「脚気」の例を示したとおり、
いくら潤沢に米を食べてもビタミンB1がないと上手に機能しなくなり、疲労が蓄積して健康を害してしまいます。
ビタミンとミネラルを、「微量栄養素」と呼ぶように、ごく少量であっても役割は大きいのです。
また、ほとんどのビタミンは体内で合成することができないため、食事で摂取しなければなりません。
よりバランスよく、数多くの食材から一日の食事を組み立てていくことは、多くの微量栄養素を、まんべんなくとり入れるためにも必要なのです。
それでは、主なビタミンを紹介します。
[ビタミンA]
網膜をはじめ、さまざまな器官に作用します。
欠乏すると夜盲症や組織の乾燥症が発現します。
緑黄色野菜に多く含まれるビタミンA前駆物質カロテンは、がん予防の有効性が期待されています。
ビタミンAを多く含む食品は、レバー、卵黄、ホウレンソウや小松菜、ニンジンなどの緑黄色野菜です。
[ビタミンB1]
糖質の代謝補酵素として働きます。
足りないと脚気、食欲不振、疲労感などが起きます。ビタミン説を多く含む食品は、豚肉、レバー、玄米、ウナギの蒲焼きなど。
[ビタミンB2]
竪糖質や脂質の代謝を助け、組織内呼吸、エネルギー生成などに重要な役割をはたします。このため成長促進ビタミンとも呼ばれます。
多く含む食品に、レバー、卵、牛乳、納豆、緑黄色野菜があります。
[ビタミンB6]
アミノ酸代謝を正常に維持するよう働きます。多く含む食品に、魚類、レバー、サツマ芋などがあります。
[ビタミンC]
ビタミンCの欠乏症で有名なのは、大航海時代から船員たちを苦しめた壊血病です。
イギリス海軍でライムジュースの瓶詰を採用し、それが後々のイギリスの隆盛にのですかいえども軽視できません。
ビタミンCの不足は、感染症に対する免疫力の低下にもつながります。
多く含む食品は、ホウレンソウ、カボチャなどの緑黄色野菜、イチゴ、柿、柑橘類などの果物類。
[ビタミンD]
小腸においてカルシウムの吸収を促進します。
多く含まれる食品に、生シャケ、サバ、カツオ、サンマなどの青魚があります。
[ビタミンE]
老化現象を引き起こす過酸化脂質の育成を抑制します。
アーモンドやピーナッツなどのナッツ類、ウナギの蒲焼き、マグロの油漬け(缶)に多く含まれています。
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脂質の役割
脂質には、ラーメンに浮かんでいる背脂から、パンにぬるバター、てんぷらなどの調理に使う植物油、みるからにおいしそうな中トロの刺身に含まれる脂などがあり、
加えて脂質とは一見関係なさそうな米や野菜にも含まれています。まさに形態はさまざまです。
脂質の適正量は、一日の全エネルギー量の「四分の一以下」とおぼえてください。
こう書くと、「結構、食べてもいいんだ」と思いますが、脂質のとりすぎから肥満や高脂血症が増えているのは、「みえる油」のほかに、食材のなかや調理の過程に含まれる「みえない油」があるからかもしれません。
脂質は、一グラムあたり九キロカロリーと、糖質やたんぱく質に比べて二倍以上のエネルギーをもっています。
それだけに腹持ちもよく、激しく体力を消費する場合には効率がよい栄養素といえます。
脂質を構成する脂肪酸には、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があることがよく知られるようになっています。
飽和脂肪酸にはバターやラードなどの動物性脂肪、不飽和脂肪酸には、植物性油や、魚介類に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やIPA(イコサペンタエン酸)があります。
近年の傾向として、脂質のとりすぎが問題となる一方で、脂肪嫌いもみうけられます。
細胞膜をつくり、脳や神経繊維の材料ともなる不飽和脂肪酸のうち、リノール酸、リノレン酸、アスパラギン酸の三つは、体内で合成することができません。
これらの不足は発育・成長期の人体に多大な影響を与えかねませんから、思い込みによる脂肪嫌いは問題です。
しかし、日本人の脂質のとりすぎによる肥満が問題になっているのも事実です。
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たんぱく質の役割
「たんぱく質」はバラエティをたんぱく質が含まれる食品には、肉、魚、大豆、卵、牛乳などがあります。
でも男性は、「たんぱく質といえば?」と聞くと、「肉」と答える人も多いのではありませんか。
スポーツ選手を経験した人のなかには、
「強靭な肉体づくりには、やはり肉を食べないと」
とコーチや監督からアドバイスされた人もいるでしょう。
古くからの中国薬膳の思想体系をあらわすものとして「以類補類」という言葉もあります。
肝臓を養うためにはレバー料理を口にし、筋肉増強には、脂肪が少なくたんぱく質量が多い鶏肉のささみを食べるのが第一だというような考え方です。
これは古来、人体が食物によってつくられているという事実を認識していた証拠ですし、事実、体に不足しているものを補い、足りているものは代謝を高めて体外に排出するという科学的合理性にも立脚しています。
ただし同じ体内にある器官でも、筋肉と心臓、肺と肝臓の役割がそれぞれ異なるように、60兆個といわれる人体の細胞は、20数種類のアミノ酸がいろいろな形で結びついたたんぱく質によって組成されています。
しかも、そのうちの九種類のアミノ酸(リジン、トリプトファン、メチオニン、スレオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、フェニールアラニン、ヒスチジン)は、体内で合成できず食物から摂取するしかありません。
これらは、体の維持、発育に不可欠なため「必須アミノ酸」と呼ばれています。最近、よく健康食晶でも聞かれるフレーズです。
一般に、この必須アミノ酸は、卵、牛乳、肉類、魚介類にはそろって含まれています。
しかし、体内の細胞が約60兆個からなり、その組成する器官の役割も複雑に異なるのですから、かたよったたんぱく質だけで食事を構成するのは避けたいものです。
動物性たんぱく質だけでなく、「畑の肉」といわれる豆類や豆製品の植物性たんぱく質、これらを上手に組み合わせることによって、より健康的なたんぱく質の摂取が可能になります。
たんぱく質のエネルギー量は、糖質と同じ一グラムあたり4キロカロリーとおぼえておきましょう。
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糖質の役割
糖質には、米やパン、麺類、芋類の主成分のでんぷんや、砂糖、果物に含まれる果糖、牛乳に含まれる乳糖などがあります。
ここで、まずおぼえてほしいのは、糖質が「主食」としているものに該当し、その適正量は一日にとる全エネルギー量の六割だということです。
糖質の役割は、車のガソリンにあたります。
糖質は、体内で消化されブドウ糖となり、吸収されてエネルギー燃料としての務めをはたします。
消化吸収がはやく、短時間でエネルギーになる特性があります。
忙しい仕事で疲れたときに、アメ玉一つ、チョコレートの一片で元気がでたり、
厳しい減量を終え試合を控えたボクサーが茹でただけのスパゲッティを食べて体力を回復させるのは、糖質がすばやく体内で燃焼してエネルギーに変わる特徴があるからです。
ただ、糖質の過多は、血糖値を上げ、それを下げるためにすい臓からインスリンが過剰に分泌されます。
すい臓を酷使しすぎると、インスリンの分泌力が衰え、結果的に糖尿病を引き起こす原因ともなりますから、糖質の摂取のしすぎには注意がいります。
江戸時代、治世が進むと江戸の街では「脚気」が大流行しました。
その原因の一つとして精米によって胚芽(ヌカ)=ビタミンB1が削りとられていたことが判明しています。
糖質を分解し、エネルギーに変えるにはビタミンB1が同時に消費されるため、体内にビタミンB1が不足して脚気を引き起こしたのでした。
江戸時代には、脚気が精米技術の向上にともなったため「ぜいたく病」と呼ばれました。
しかし現在においても昔の話とばかりにすませてはいられません。
「カップヌードル一個、おにぎり二個、清涼飲料水500ミリリットル一本」
こんな昼食や夕食を、あたりまえのようにとっている人もいます。
実際に、このような食事をつづけたために重症の脚気になったケースもありますし、「ジャンクフード症候群」としてその危険性が叫ばれているように、神経細胞が破壊され、情緒不安や思考力の低下にいたっている症例もあります。
ちなみに糖質1グラムあたりのエネルギーは、四キロカロリーとおぼえておきましょう。
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